
暗号資産(仮想通貨)をマイニングできるのはビットコインだけではありません。アルトコインもマイニングすることができます。
また収益性を考えるとアルトコインの方が高くなり、今からマイニングを始めるならアルトコインがおすすめです。
この記事では、利回りの良いおすすめの暗号資産(仮想通貨)2種の採掘方法から、マイニングに役立つおすすめのソフトやサイトまでご紹介します。
- なぜビットコイン採掘は現実的でないのか
- マイニングにおすすめの暗号資産(仮想通貨)2種
- 収益計算におすすめのサイト紹介
Contents
マイニング(暗号資産(仮想通貨)の採掘)の仕組み・現状解説
マイニングとは「ブロックチェーン上の不正監視・取引承認に協力する見返りとして、暗号資産(仮想通貨)をもらう」というものです。
報酬としてもらえるのは新規発行通貨であり、埋蔵している暗号資産(仮想通貨)を発掘するというイメージに合致することから「マイニング(採掘)」と呼ばれるようになりました。
魅力的なのは2018年5月現在も高い価値を誇るビットコインですが、個人や小規模施設での採掘は非現実的です。
したがって、今からマイニングを始めたい人にはアルトコインをおすすめします。
チェック暗号資産(仮想通貨)マイニングのメリット・デメリットとは?始める前に知っておこう
ビットコインマイニングをおすすめしない理由
ビットコインを含む多くの暗号資産(仮想通貨)で「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」というコンセンサスアルゴリズムが採用されています。
PoWでのマイニング報酬は、一番早くブロックを解読した人(=コンピュータ)にしか付与されません。
ブロック解読の速さに影響するのはコンピュータの処理能力(※)であり、結果としてマイニング報酬は高性能コンピュータに集中してしまいます。
※マイニング効率に影響するコンピュータの処理能力…
「採掘速度」または「ハッシュレート」と呼ばれます。
ビットコインはその価格・支持者の多さからマイニング参入者が多く、資本家・大企業がマイニング設備に投資をして報酬を独占しているのが現状です。
当然、彼らが導入しているコンピュータの性能は、一般家庭にあるパソコンとは桁違いのものです。
時価総額の高い暗号資産(仮想通貨)ほどマイニング競争が激化し、「一部の採掘者によるマイニング報酬の独占」が起きます。
ビットコインは、取引記録を一定期間ごとに一つのブロックにまとめ、チェーン(鎖)のようにつなげて保管していくブロックチェーン技術を基盤にしています。
世界中でやり取りされているビットコインの取引データ(トランザクション)は、ネットワークに伝播すると、世界中にいる採掘者(マイナー)が、一定時間の取引データを1つにまとめた「ブロック」を競うように生成していきます。ブロックの生成は、取引台帳の記録と新しい取引データの整合性を取りながら正確に行うことが求められます。具体的な作業は膨大な量の計算処理(ハッシュ計算)であり、最初にブロックの生成に成功し、それが承認され台帳に追記されると、そのブロックを生成したマイナーには報酬としてビットコインが支払われます。この一連のプロセスをマイニング(暗号資産(仮想通貨)の採掘)といい、これによりデータの改ざんを防ぎ、健全性・安全性が保たれています。
チェックマイニング(ASIC・GPU)の電気代はいくら?計算方法・節約のコツを紹介
アルトコイン採掘の予備知識
後ほどマイニング開始の手順を解説しますが、長く続けるのであれば最低限知っておきたいこともあります。
ここでは、
- マイニングソフトの種類
- CPUとGPU、どちらを選ぶべきか
の2点に加えて、同じ暗号資産(仮想通貨)を採掘し続けることのデメリットも解説します。
マイニングソフトの種類と特徴
ビットコイン・アルトコイン問わず、お手持ちのパソコンで採掘するならマイニングツールは必須です。代表的なのは以下の3つです。
- ccminer(Windows/Linux):対応アルゴリズムはこちら
- MinerGate(Windowsのみ対応):対応アルゴリズムは公式トップに記載
- NiceHash(Windowsのみ対応):ビットコイン採掘のみ対応
NiceHashはアルトコイン採掘不可のため、他2種類のマイニングツールについて説明します。
ここで述べている「対応アルゴリズム」とは、暗号資産(仮想通貨)ごとに異なる採掘報酬の発生システムのことです。マイニングツールが掘りたい暗号資産(仮想通貨)のアルゴリズムに対応している必要があります。
初めに紹介した「ccminer」は対応アルゴリズムの種類が最も多いツールです(下画像参照)。
ccminerのデメリットとしては、コマンドプロンプトで動作する(CUI)こと・専用テキストファイル作成など設定が煩雑であることが挙げられます。
次に紹介するMinerGateは、初期設定が簡単で操作性に優れ・初心者にはおすすめできるツールです。
利回りのいい暗号資産(仮想通貨)を自動判定し採掘してくれる「スマートマイニングモード」が搭載されているのも特徴です。
採掘できる暗号資産(仮想通貨)の種類も豊富です。
- Zcash(ZEC)
- Bitcoin(BTC)
- Bitcoin Gold(BTG)
- Ethereum(ETH)
- Ethereum Classic(ETC)
- Monero(XMR)
- Monero Original(XMO)
- Bytecoin(BCN)
- DigitalNote(XDN)
- QuazarCoin(QCN)
- Fantomcoin(FCN)
- MonetaVerde(MCN)
- AEON coin(AEON)
- Dashcoin(DSH)
- Infinium-8(INF8)
※2018年5月現在
慣れない間はMinerGateを使ってマイニングの仕組みを理解し、ccminerへと移行するのがおすすめの方法です。
※MinerGateは公式Twitter上で「(ツールは)必ず自分たちのWebサイトからダウンロードしてほしい」と呼びかけがありました。ウイルスを仕込んだデータを配布する悪質な偽サイトが存在します。注意が必要です。
CPUとGPUのどちらでマイニングすべきか
アルトコインのマイニングを始める際、CPU・GPUのどちらを稼働させるか選ぶ必要があります。(1台のパソコンで両方とも稼働させることも出来る)
結論から述べると、GPUでマイニングしたほうが多くを採掘できます。
ビットコイン高騰を受けて、高性能なGPUが搭載されているグラフィックボード(パソコンパーツの1種)が長らく品薄状態だったこともありました。
ただし、グラフィックボードは電力を大量に消費します。気軽にアルトコインを掘りたい人は、下の3つの方法から自分に合うものを選んでください。
グラフィックボード(グラボ)を購入してマイニング用PCに取り付ける
搭載グラフィックチップによって値段が変わります。
2018年5月現在、GTX900番台のものがお手頃価格で入手できます。(新品価格30,000円~)
ゲーマーやイラストレーターに需要があるので、処理能力(採掘速度/ハッシュレート)に不満がある時は、オークションサイトで売却して資金回収することも可能です。
ご自宅にゲーミングパソコンがあれば、これを利用する
高性能グラフィックボードが搭載されているものが多く、GPUマイニングで安定して利益を狙える可能性があります。
まずはCPUマイニングからやってみる
利益はほとんど狙えませんが、GPUマイニングと同じ手順で設定することができます。「やり方だけ勉強したい」という人におすすめです。
チェックCPUマイニングで効率よく収益を上げられる通貨と方法|CPUマイニングに適したPCパーツまとめ
マイニングの利回りは段々下がっていく
同じ暗号資産(仮想通貨)の採掘ばかり続けていると、1~2年程度のスパンで利回りは下がっていきます。その理由として
- マイニング参入者の増加(PoWの場合)
- 半減期の到来
- ASICの存在
の3点が挙げられます。
半減期とは、1ブロックあたりの採掘報酬が半分になるタイミングです。
例えば、ビットコインの採掘報酬は1ブロック=50BTCでしたが、2回の半減期を経て2018年5月現在は12.5BTCとなっています。
次に挙げたASICとは、「専用集積回路」を意味する略語です。ここで述べたものはマイニングに特化したコンピュータを指します。
ASICは家庭用PCとは比べ物にならないほど処理能力が早く、コンピュータに精通している人がマイニング報酬を独占してしまう原因のひとつです。
そのため、一部の暗号資産(仮想通貨)の開発者は「ASICだとかえって採掘しにくいシステム(ASIC耐性)」を熱心に研究しています。
しかし、耐性を強化するたびにASICメーカーのほうが順次対策機種を発売してしまう…というイタチごっこに陥っています。
これら「利回りが下がってしまう要素」を意識して、必要であれば採掘するアルトコインを選びなおすのが、個人でマイニング利益を得るコツです。
おすすめのアルトコインはモネロ(Monero/XMR)・バイトコイン(Bytecoin/BCN)
長期的に見て利回りが下がりづらく・家庭用パソコンでも安定した利益の出るのは
- モネロ(Monero/XMR)
- バイトコイン(Bytecoin/BCN)
この2種類です。
モネロは時価総額ランキング9位・バイトコインは27位の有望なアルトコインで、ホルダー数が順調に増加しています。
程よい需要で価格下落リスクが少なく・かつ個人でもマイニングしやすい技術的要素を数多く盛り込んでいるのが魅力的です。
※時価総額ランキングは2018年5月現在
両方ともマイニングアルゴリズム「CryptoNight」を採用しており、これは一般家庭にあるパソコンでも収益を出すことができる性質のものです。
なかでもモネロは、ASIC(マイニング専用集積回路)のマイニング参入を強く拒否していることで知られています。2018年2月には、ASICメーカーのモネロ向け製品発売に反発してハードフォークを行っています。
参照:モネロ公式サイト
MinerGate(マイナーゲート)を使った採掘の例
MinerGateの初回起動時にメールアドレスが必要になるため、準備しましょう。
あとはマイニングメニュー(画面左上のツルハシマークのタブ)から掘りたい暗号資産(仮想通貨)を選択し、CPUまたはGPUの好きなほうで採掘を始めるだけです。
このキャプチャでは、CPUとGPUの両方を稼働させてモネロを採掘しています。
MinerGateは「プールマイニング」と呼ばれるマイニング方式をとっています。
このツールを利用している採掘者がサーバー上で力を合わせ、マシンの処理能力をシェアしながら採掘を続ける方式です。
その逆で、自分のマシン1台だけの力で採掘を進める「ソロマイニング」という方法もあります。この方法は、一般的な家庭用パソコンだとおすすめできません。
ゲーマー向けのパソコン・高性能なグラフィックボード(GPU)が用意できるまで、プールマイニングが効率的です。
採掘する暗号資産(仮想通貨)を決めるなら「What To Mine」
ここで紹介した2銘柄以外にも、利回りのよいアルトコインは沢山存在します。何を採掘すべきか悩むときは、What To Mineを使いましょう。
お使いのグラフィックボード・契約しているプランの電気料金を入力すると、自動的に収益性の高いアルトコインを提案してくれます。
例:GTX1080Ti搭載のグラボ(1枚)でマイニングしたい。電気料金は25円/kWh(およそ0.22ドル)
画像の赤丸部分にグラフィックボードに搭載されているチップ名・電気料金を入力し、最後にCalculateを押すと、おすすめのアルトコインがランキング形式でページ下に出てきます。
採掘アルゴリズム・上場取引所でも絞り込みが出来ます。
マイニングに慣れてきたら、このサイトを活用してより利回りのよいアルトコインを見つけましょう。
またスマホでも暗号資産(仮想通貨)のマイニングを行うことができます。手軽に始められるのでこちらもチェックしてみてください。
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暗号資産(仮想通貨)マイニングまとめ
- マイニングツールはMinerGateがおすすめ
- マイニング参加者の数や暗号資産(仮想通貨)の仕様により、時間経過で利回りが下がる
今からマイニングに参入するのであれば、ビットコインのマイニングで利益をあげることは不可能です。
ここで紹介したモネロ(Monero/XMR)・バイトコイン(Bytecoin/BCN)を含め、一般家庭用のパソコンでもコツコツ利益を出せるアルトコインが数多く存在します。
まずはアルトコインのマイニングで利益を出すことを意識しましょう。利益が出たら税金がかかります。計算方法や節税の知識は事前に頭に入れておきましょう。
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