量子コンピュータによる暗号解読を防ぐ技術(量子耐性)を備えることは、ブロックチェーン技術の喫緊の課題とされています。

しかし、量子耐性を持つ仮想通貨の種類はまだ少ないのが現状です。というのも、コンピュータ計算技術に優れた技術者の多くが政府機関・軍事技術開発に囲われており、民間会社に進出するための人材リソースがほとんどないためです。

Lattice(ラティス)は日本人技術者を中心とする専門性の高いグループで、未だ実用例のない量子鍵配送を実装したブロックチェーンの開発を進めています。この費用捻出を目的として、今回のICOに至りました。

これだけ見ると将来性への期待が高まりますが、一方で「スキャム(詐欺)ではないか」という手厳しい意見もあります。
量子コンピュータ技術の現状も踏まえて、トークンの将来性を考察します。

ポイント:
・Lattice(ラティス)トークンのICO情報詳細と分析
・量子コンピュータ技術の解説
・トークンの購入方法

Lattice(ラティス)トークンICOの詳細

Lattice(ラティス)の名は、後述する「格子暗号」が由来であると推察されます。

「量子コンピュータが実用化されても利用できるブロックチェーン技術(耐量子性または量子耐性)の開発」を目指しており、そのために5億円の資金調達を目指しています。

ここで、トークンの詳細なスペック・セール情報を紹介します。

ラティストークンの詳細…
  • トークン名:Lattice(ラティス)
  • 発行上限数:200億Lattice
  • 購入可能な通貨:イーサリアム(ETH)
  • 価格:0.00001ETH ※「市場を見て変更の可能性あり」との説明あり
  • ホワイトペーパー:日本語版のリンク

2018年5月10日時点のレートで、通常価格7〜8円/Latticeの予定です。
開催中のセール情報に移りましょう。

ラティストークンのICO情報…
  • 最低購入価格:0.5ETH(5万Latticeに相当)
  • セール期間中の販売枚数:8億Lattice
  • 購入者に付与されるトークンボーナス:
    100万〜299万Lattice購入でトークン3%ボーナス
    300万〜499万Lattice購入でトークン10%ボーナス
    500万〜999万Lattice購入でトークン15%ボーナス
    1,000万Lattice以上の購入で20%ボーナス
  • ソフトキャップ(ICO成功と見なす最小の調達額):1,000,000USD
  • ハードキャップ(最大調達額):10,000,000USD

セール期間は2018年4月24日〜6月30日です。達成率や開発に関する情報は現在公開されていません。Lattice開発側は「いくつかの取引所に上場交渉中」としています

ラティストークンに関わるその他技術的情報は

  • PoS(プルーフ・オブ・ステーク)導入
  • イーサリアムベースのブロックチェーン技術

これらのことしか明かされていません。

ロードマップは

  • 2018年7月11日:独自ブロックチェーン開発が完了
  • 同年9月:取引所上場(英語版ホワイトペーパーのみ記載)

といった簡素なものです。

マーケティング戦略や通貨としてのコンセプトではなく、量子コンピュータ技術の説明にホワイトペーパーの頁の大半が割かれています。

そこで、開発会社やトークン将来性の評価に移る前に、量子コンピュータ技術の基礎知識・現在の開発状況や仮想通貨との関わりを解説します。

量子コンピュータ・量子鍵とは何か

現在多くの仮想通貨に応用されている暗号化技術は、まもなく実用化される量子コンピュータによってやすやすと破られてしまいます。量子コンピュータの特徴から紹介します。

古典コンピュータと量子コンピュータの違い

実用化されつつある「量子コンピュータ」に対し、現在流通しているコンピュータは「古典コンピュータ」と呼ばれます。古典コンピュータなら数千年かかる計算を、量子コンピュータなら数十分で済ませてしまいます。

それは、根本の仕組みが両者の間で異なるためです。

Lattice

古典コンピュータは「0か1か」「有か無か」という二極的な計算方法を採用していますが、量子コンピュータは「0でも1でもある」という考えでデータを処理します。
こうすることで、並列処理が容易になり・古典コンピュータの1億倍以上の計算スピードを獲得出来ると言われています。

仮想通貨に遅れて出てきた「量子コンピュータ実用化の可能性」

量子コンピュータの概念は1980年代に成立しました。しかし、サトシ=ナカモトと名乗る人物が出現した後の2010年頃まで、実用化の構想は全く進んでいませんでした。

ところが2011年にカナダの企業がコンピュータの建造(量子アニーリング方式)に成功したと発表し、にわかに状況が動き出したのです。

概念が生まれた80年代から「通信暗号化技術は量子コンピュータによって破られる」と予告されていました。

コンピュータ実用化を予想していなかったブロックチェーン技術にとって、2010年代の動きは青天の霹靂です。

現在では、量子コンピュータでも「破りにくい」とされる署名方式・暗号化方式の実装をロードマップに組み込んだ仮想通貨が、いくつか出現しています。

Lattice

注意したいのは「量子コンピュータでも破れない暗号化技術は現状存在しない」ということです。

発行済みのどの仮想通貨に使われている耐量子性技術も、20世紀に考案されたより複雑な署名方法を応用する・ワンタイムパスワードの考えを使うといった、旧来のものです。つまり、時間をかければ解読できてしまいます。

Lattice(ラティス)トークンに実装される「量子鍵配送」「格子暗号」とは

量子鍵配送とは、量子コンピュータ対策というよりも「量子コンピュータの技術を使った、全く新しい技術による暗号化方式」です。

送信中のデータは、光の素粒子に変換されます。これにハッキングをかけても、元のデータの痕跡がないため読取不可能です。

Latticeこれに加えて、格子理論に基づく「格子暗号(“Latticebased Cryptography“)」という暗号化を実用化する予定です。

格子暗号は実用例・解読成功例がほとんどなく、中国を含む一部の先進国では軍事技術として研究されているものです。

もし格子暗号に不正アクセスしてラティストークンを盗もうとする場合、

  • 格子の線がどのように組み合わさっているのか
  • 何次元か
    …格子がタテとヨコの線の組み合わせ(2次元)とは限らない。数十次元〜数兆次元のこともある。
  • 格子状のどのルートを辿って暗号化されているのか

という情報から入手しなければなりません。

入手するために総当たり式でハッキングを仕掛けようにも、今までの暗号化とは桁が異なる・無数のパターンがあり得ます。こうすることで、実質的に不正アクセスができないデータ通信を可能にしようとするのが、ラティストークンの発想です。

Lattice

格子暗号は特に金融関係者が強い関心があり、日本銀行金融研究所でも繰り返し資料をまとめています。

参考:『量子コンピュータの解読に耐えうる「格子暗号」の最新動向』

格子暗号の解読に成功したのは2016年が初めてで、2018年現在では最先端の暗号化技術であると評価できます。Latticeの「量子コンピュータ技術と仮想通貨の融合」プロジェクトが成功すれば、これがブロックチェーン技術の特異点となり得るのです。

Lattice(ラティス)開発元の評価・ホワイトペーパー分析

このプロジェクトは、日本人技術者「ケント=タキモト」がCEOを務めるラティス株式会社のものです。

ラティス株式会社はエストニアに本社を置いていますが、その理由は日本の仮想通貨業規制にあるとしています。金融庁は「ブロックチェーン技術開発にも仮想通貨交換業の資格が必要」との見解を示していますが、この資格認可まで数ヶ月〜1年程度かかるのが現状です。

痛恨の低評価・その理由は

ICOに多角的評価を下しているサイト「ICObench」では、Latticeプロジェクトに以下のような評価を下しています。

Lattice

5点満点で、総合評価3.1となっています。コメントも辛辣です。

Lattice

「(英語版ホワイトペーパーの)文法とスペルミスがひどい。最高技術責任者とディレクターの名前が異なる。スキャム(詐欺)だね」

「営業戦略や市場参入に関する記述がホワイトペーパーに無い。このプロジェクトの強みは今のところない」
(意訳)

となっています。ホワイトペーパーを検証してみましょう。

ホワイトペーパーから行う企業・プロジェクトの分析

2018年5月現在公開されているのは英語版日本語版のみで、中韓版はいずれもリンク切れとなっています。

ICObenchのコメントにあった責任者の名前について、日本語ホワイトペーパーの該当部分を紹介します。

Lattice

「Kento」が本文中で「Keisuke」になっています。役職名はWebサイトとホワイトペーパーで一致していますが、他技術者やJimmy Hoover氏(CTO)の紹介がありません。
また、英語版と日本語版の双方を比べると、タキモト氏の紹介があるのは日本語版のみです。Lattice

営業戦略や市場参入に関する構想は、指摘通りホワイトペーパー上にほとんど記載はありません。冒頭に記載したロードマップ中にも、技術開発の目標のみです。

開発中のソースコードの情報を探しても、WebサイトからGitHub等へのリンクもありません。専門的な説明が大半を占めるので、一般投資家の視点からは不安に感じる要素があります。

開発元の過去実績は確認できず

公式サイトには、ケント=タキモト氏を含む中心人物3名の名前が掲載されています。

Kento Takimoto氏…CEO
Takayoshi Kodama氏…CTO
Jimmy Hoover氏…CLO

過去の金融機関・仮想通貨開発歴などを確認しましたが、ネット上で見つかるものはありませんでした。所在地であるエストニア独特の行政事情も考えてみましょう。

エストニアは公的手続きの電子化が進んでいる国で、会社設立登記をネットで海外から行うこともできます。

このとき、実際の会社所在地がエストニア国内でなくても構いません。

これは、法人税収を目的とした制度です。設立する側にも、他国で設立するよりもはるかに安い税額で会社経営できるというメリットがあります。

ブロックチェーン技術開発のためではなく、登記の手軽さや税金の安さが目当てでこの国に設立した、という可能性は捨てきれません。

こうしたことを考えると、ラティス株式会社に対する信頼性が揺らぎます。

量子耐性を持つ仮想通貨の成功例

Lattice量子耐性を持つ仮想通貨のなかで、価格が高騰し成功していると言える通貨を2種挙げます。

シールド(SHIELD/XSH)

2017年に発行されたシールド(SHIELD/XSH)は、発行当時の1円未満/XSHだったところを9円代まで登りつめています。

2018年3月に仮想通貨業への参入を表明したLINE株式会社とは翌月4月に提携し、同月末にはLINEアプリ内で使える「SHIELD LINE WALLET」もリリースしています。

Lattice

シールドはプレマイン(開発側による事前の通貨確保)・ICOの両方とも行っていません。開発グループは全員匿名で、日本円やドルによるXSHの売買取引にすら消極的です。

したがって、シールドファン運営のマイニングプール(共同でマイニングを行うことができるサーバー)の利用手数料が開発費用の原資となっています。

ホリエモンこと堀江貴文氏の発言で量子耐性についても注目を浴びましたが、仮想通貨技術への愛着をアピールすることで地道にファンを獲得し続けたのが、価格高騰の主因です。

エイダコイン(カルダノ/ADA)

Lattice

イーサリアム開発のキーパーソンが関わっているのが、Cardanoプロジェクトです。ここで発行している通貨はエイダコインと呼ばれています。

発行は2015年で、ICOという概念すら曖昧な時期でした。そこで、プレセールでの購入者はユーザー間の口コミに頼っています。

アップデート前に論文を発表するスタイル・ゲームを通じたファン獲得の2つを営業戦略としています。量子耐性の開発状況は50%(2018年5月現在)となっており、このコインもマーケティング戦略中心で普及活動してきたと分析できます。

Latticeプロジェクトの訴求力が低い理由

Latticeのプロジェクトは、技術的説明への偏重が見られます。量子コンピュータの存在は投資家にとってまだ身近でなく、知識がないと分析しづらいのがICOの短所と言えます。

新聞やビジネス誌での紹介が増えて量子コンピュータに対する注目度が上がった時に、トークン価格が一気に高騰する可能性があります。

トークンの購入方法

アカウント開設は無料なので、気になるかたは済ませておきましょう。
ICO参加ページでメールアドレスを登録します。

LatticeICO参加にはマイイーサウォレット(MyEtherWallet)が必要です。アカウント開設後、指定されたウォレットにイーサリアムを送信し・トークン付与を待つことになります。

Lattice(ラティス)トークンの将来性考察・まとめ

Lattice(ラティス)は、解読例のほとんどない量子暗号のひとつ「格子暗号」の実装を予定しており、専門的な説明で説得力もあるプロジェクトです。

量子コンピュータの実用化が数年後に迫っており、これまでの暗号化技術が全て危険なものになりつつある今、このICOで説明されている開発はきわめて重要なものです。

開発に成功すれば、金融業界・政府機関からの注目や技術提供要請が殺到するだろうと予測されます。

一方で、

  • ホワイトペーパーの誤記載
  • 謎めいた会社の実態と開発グループの存在
  • マーケティング戦略の著しい欠如

これらを考えると、不安要素が数多くあるのも事実です。

ほか仮想通貨の例を見ると、コミュニティ活性化・通貨の利便性などの身近な要素に重点を置いています。

トークン普及に向けた具体的な動きが、Latticeに求めたい最重要課題と考えられます。

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